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[第12頁] 高齢化はひきこもりでも

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平均年齢は保護者61.4歳、本人31.7歳。平均期間は10年1カ月。NPO法人もりおかユースポート「ひきこもり等支援室“ゆきわり”」と岩手県立大川乗研究室が調べた盛岡地域のひきこもり実態調査の平均値だ。調査は2015年11、12月にアンケートで行い保護者41人、本人5人が協力した。

高齢化の波はひきこもり家庭にも押し寄せている。この盛岡地域の数字は、2010年の福岡市での調査結果(父親65.3歳、母親59.8歳、本人30.7歳、ひきこもり期間8.1年)とほぼ同じで、ひきこもりの長期化と高齢化という課題が浮き彫りになった。

2010年の内閣府調査によると「狭義のひきこもり」の全国推定値は23.6万人(0.61%)、「準ひきこもり(普段は家にいるが、自分の趣味に関する用事のときだけ外出)=1.19%」も加えた「広義のひきこもり」は69万6千人(1.80%)になる。これを盛岡市の数字(2013年10月の15~39歳人口87,677人)に当てはめて推計すると、狭義は535人、広義は1,578人になる。

ひきこもりの実態はなかなかつかめない。近所の目などを気にし、保護者らが隠す場合があるからだ。支援の手もなかなか届きにくいのが実情だろう。NPO法人もりおかユースポートと岩手県立大川乗研究室は「ひきこもり支援ガイドブックinいわて-“ゆきわり”の取り組みを通して-」を発行した。これは、ひきこもり支援の岩手版バイブルだ。

調査によると、ひきこもりのきっかけは(1)不登校26%(2)人間関係の不信21%で両者合わせて47%に。精神科など病院で診察を受けた経験がない方が42%。精神科医やカウンセラーに相談したいとは思っているものの、実際に受診している人は少ない。

北上市出身の精神科医斎藤環さんは言う。「本人が安心してひきこもれる関係づくりが重要」。両親、家族以外、第三者の支援者を増やすのが喫緊の課題になっている。

(K.Jobs)

2016.11.04更新

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