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[第9頁] 七五三現象を人格形成から考える

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新卒就職者で3年以内に離職する人の割合、いわゆる「七五三現象」の背景として、就職のミスマッチや職場環境の劣悪化などが指摘されている。この現象について、精神科医で精神分析家の牛島定信さんは「現代の若者の人格形成の問題を考えなくてはいけないような気がしてならない」と指摘する。(「パーソナリティ障害とは何か」講談社現代新書)

牛島さんは約40年、大学病院で精神科の臨床に携わってきた。その経験から「21世紀を迎えた今日、人のありようが大きくかわった。物の考え方、生活スタイルだけでなく道徳観、規範意識など人格に組み込まれていた価値観そのものが大きく変わった」と書く。「親の背中を見て子は育つ」という言葉も今ではいい意味としては使えなくなった。

そんな状況の現れがパーソナリティ障害だという。牛島さんは「年齢相応の社会生活ができない状態で、社会や現実への認知が著しく偏っていて、感情調整や衝動コントロールに障害をもち、普通に対人関係をつくり維持できない人」と定義する。そんな人は暴力や器物損壊などで違法行為をしたり、自傷・自殺行為を図ったり、薬物使用やギャンブル依存で生活破たんを起こしたり、対人関係を拒否してひきこもったりする。そんなレベルまでいかないものの、人格形成がスムーズにいかなかった例は増えている。そんな若者たちが職場で人間関係を巡りトラブルを起こす。「七五三現象」は、雇用や就労問題として捉えるだけではなく、牛島さんのような視点から考えることも必要ではないだろうか。

(K.Jobs)

2016.09.09更新

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