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[第27頁] イノベーションと志

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「AIと最新テクノロジーが創り出す未来社会」という講演を聞いた。話しは時価総額の世界ランキングから始まった。2019年1月の順位をみるとAmazon、Microsoft、Apple、Alphabet(Googleの親会社)、FacebookなどIT関連企業いわゆる“GAFA”が上位を占めている。そして講師は30年前、1989年のランキングを示す。1位NTT、2位日本興業銀行、3位住友銀行、4位富士銀行、5位第一勧業銀行。なんと日本企業が上位を独占している。この30年の変化はインターネットというテクノロジーがもたらしたイノベーションだ。

「これからの30年でまた新たなイノベーションが起こり、ランキングは変わっている。」講師の予測だ。そして未来社会のキーワードとして挙げたのは「VR(仮装現実)市場」「AI(人工知能)ロボット」、サイバー空間と現実空間を融合させたシステムで経済発展と社会的課題の解決を両立する「Society5.0」など。既に実用化された技術や試作・試験段階の映像を紹介し、われわれが新たな時代に生きていることが実感できる講演だった。

たまたまこの講演の前日、テレビで「分身ロボットOriHime(おりひめ)」が紹介されていた。開発したのは株式会社オリィ研究所の代表取締役CEO吉藤健太朗さん。ロボット開発の動機は小5から中3までの不登校経験にある。「たとえば遠足に一緒に行ったとしても仲間から存在を認められないと行ったことにはならないでしょう」。OriHimeは「ベッドの上にいながら、会いたい人と会い、社会に参加できる未来の実現」を理念に「孤独感の解消」を目指して作られた。工業高校時代、吉藤さんは歩道の段差を乗り越える電動車椅子を製作した。吉藤さんの活動や仕事の軸は「人や社会に役立つこと」。30代前半の若さながら、その姿勢が評価され、多くの方から支援を受け会社を設立した。

先に書いた講演会のタイトルは「(未来社会)に向けて企業が取り組むべきこと」と続く。イノベーションが世界各地で進行し、社会や人類に大きな変革をもたらすのは時代の必然だ。そうしたことに携わる個人や組織に“OriHime”のような開発理念や社会貢献意識があれば、地球の未来は明るい。

(K.Jobs)

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