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[第21頁] 就活ルールと企業

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経団連(日本経済団体連合会)は、中西宏明会長がリードする形でこれまで自主的に定めていた就活ルール「採用選考に関する指針」廃止を発表した。しかし「日程の目安がないと学生が混乱する」などの声を受け、政府は関係省庁連絡会議を開いて2021年春までは現行ルールの継続を決めた。

中西会長の主張は(1)経団連が採用選考に関する指針を定め日程を差配していることに違和感がある(2)終身雇用や年功序列賃金とリンクする新卒一括採用に問題意識を持っている(3)日程だけでなく採用選考の在り方から議論したい―などだ。

就活ルールは1953(昭和28)年に大学、経済界、文部省、労働省が協議し、企業への学生推薦開始時期を「卒業年次の10月1日以降」とした就職協定が始まり。就活開始時期が早過ぎて学業に支障が出ることを防ぐための協定だった。それも「青田刈り」などが横行し、何度か改定された後1996(平成8)年に日本経営者団体連盟(現・経団連)が廃止を決めた。代わりにできたのがガイドライン「倫理憲章」。この憲章は2013(平成25)年に現在の採用選考指針に改定され、何度か日程の変更を経て、現在の3月広報解禁、6月選考開始、10月以降の内定になった。

日本商工会議所連合会、経済同友会とともに「経済三団体」と呼ばれている経団連の会長は、かつては財界だけでなく政界にも大きな影響力を持ち「財界の総理」と言われていた。その影響力も低下し、グローバルな人材確保競争に勝つため新卒一括採用から通年採用に移行する企業が増える中「経団連が自ら指針をつくり加盟企業に順守を求めるのは『お門違い』だ」というのが中西会長の意見だ。

さて、政府主導となり就活ルールは今後どなるのか。政府は現行ルールを当面続ける考えで、未来投資会議などで「世界標準」である通年採用について議論をしていく。議論のテーブルにはルールとともに新卒一括採用、終身雇用や年功序列賃金など日本型経営が乗ることになる。そんな議論とは別に、人材確保競争は激しさを増すに違いない。就職情報大手の調べでは6月1日の選考開始時点で既に内定を得た学生は約66%あった。そうした早期化の動きは加速し、通年採用や中途採用の動きも活発化する。そんな想定をした上で採用選考をしなければならない時代になった。

(K.Jobs)

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