厚生労働省がまとめた2014(平成26)年の月間総実労働時間(就業規則で定められた所定内労働時間と早出、残業、休日出勤などの所定外労働時間の計)で、岩手県は全国47都道府県の中でトップだった。従業員5人以上の事業所の1人平均の時間で、岩手県は全国平均を12.9時間上回る158時間。「真面目な県民性の表れ」と喜ぶべきことなのか。ライフワークバランスから見てやはりワーストなのだろうか。岩手県の労働時間は「就労規則で定められた労働時間」、所定内労働時間が長いのが特徴だ。残業時間、休日出勤など所定外労働時間は全国平均が11時間(月間)、岩手は10.7時間でそんな差はない。
報酬は反対だ。岩手県の平均月間現金給与総額は28万3,378円で、全国平均を3万3,189円下回り、全都道府県のうち30番目。ざっくりいうと「働く時間は長いものの報酬は少ない」になる。これではU・Iターンを考えている人に「岩手はいいよ」と勧められない。
両者とも改善したいところだが、着手しやすいのは時間だろう。労働生産効率を上げて、一人当たりの労働時間を減らす。そのためには、残業時間の抑制、フレックスタイム導入などで労働時間だけでなく、一人一人が働きやすい環境づくりが不可欠だ。趣味を楽しみ、家族と一緒に食事もする暮らし。岩手の労働環境をアピールする鍵は「早くカエル」「ゆう活」など従来の取り組みの徹底と、一人一人の実行かもしれない。
(K.Jobs)
2016.07.01更新