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[第15頁] 保護者が参列する入社式

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保護者が参列する入社式が増えている。大学の入学式、卒業式は今や親同伴が普通と聞く。入社式は子どもの自立の一大イベント。子育ての集大成の場で「親が同席して当然」という意見がある一方、「親離れ子離れ」の観点から憂慮する人もいる。

広島市でお好み焼きのソースなどを製造する「オタフク」は約30年前から家族を招待して入社式をしている。クライマックスは入社する子どもが壇上で親への感謝を伝える「声の手紙」。親子が感極まる情景が目に浮かぶ。同社は「働き続けたいと思われる魅力ある会社」を目指す。そして従業員には「働き続けてほしいと思われる人材」になることを望む。今は珍しくなった「社員も家族」という企業理念に基づいている。

保護者同伴入社式のメリットは▽家族が子どもの晴れ姿が見られる▽新入社員が働く自覚を新たにする▽居並ぶ会社幹部の顔から社風の一端を知ることができる▽企業は家族の存在も意識して会社経営にあたる―などなど。入社する前、就職活動も最近は保護者が主導権を握ることも多くなった。保護者を対象とした説明会やセミナーを求人企業が開くなど、保護者と積極的にコンタクトを取る会社も少なくない。

二子を持つ筆者は二男の幼稚園の卒園式を最後に、入学式や卒業式など一度も子どもの節目の式典に参加したことはない。仕事が忙しかったということもあったが、「なるべく早く親離れ子離れを」という気持ちもあった。専業主婦だった妻はすべての式に参列した。

子どもの入社式で招待状が届いたら妻は間違いなく「出席」にチェックだ。自分は行きたい気持ちを抑えて「欠席」と返信する。家族が見守る入社式。多様な働き方が推奨される今の時代にこそ意義があるのかもしれない。

(K.Jobs)

2017.04.03更新

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